中高一貫教育校 宮崎学園中学校・高等学校

お知らせ NEWS

令和7年度卒業式 校長式辞

2026.03.02

校長室便り

式 辞

今年の冬が、ようやく落ち着きを見せはじめ、梅の花の開花とともに、桜のつぼみは、それを追いかけるように膨らみを増しています。

この良き日に、学校法人 宮崎学園高等学校 卒業証書授与式を挙行できますことを 心から感謝申し上げますとともに、ご臨席いただきました 学校法人宮崎学園 山下理事長、姉妹校より宮崎学園短期大学 大坪副学長、本校同窓会 みどり会会長 村上様、PTA会長 福澤様をはじめ役員の方々、並びに、ご来場の皆様方に厚く御礼申し上げます。

卒業生の皆さん。宮崎学園高等学校は、創立以来、落ち着いた校風と品格ある教育活動の中、多くの卒業生を輩出してきました。今年度で創立八十六年目を迎え、卒業を迎える皆さんは、その八十六年の歴史に しっかりとした足跡を残すとともに、本校の発展をさらに加速させ、今日ここに、巣立つ時となりました。ご卒業、おめでとう。

保護者の皆様。お子様のご卒業を心よりお喜び申し上げます。保護者の皆様には、今日のお子様の姿は、どのように映っているのでしょう。幼少期、病気になれば、昼夜を問わず看病に右往左往したこと、小学校の運動会で、その姿をハラハラしながら見守ったこと、ちょっと大人になって、生意気な一面に、一喜一憂した中学校、そして、高校生になった三年前、期待と不安の中、成長を見守ってきたことなど、さまざまな事柄が、思い出されるのではないでしょうか。今日は、立派に成長したお子様の姿を、心に刻んでいただきたく存じます。

さて、卒業生の皆さん。君たちは、新しい感染症が社会へ蔓延していた時期、中学生として過ごしてきました。その間、教育活動の在り方も大きく変化していきました。現在も、様々な感染症が蔓延していますが、今後は、未知のウィルスへの不安を抱えながらも、それらと共存しつつ、社会活動や教育活動を進めていくことが重要になっていきます。これからの時代の創り手となる君たちは、高校までの学びに加え、進化する科学技術を活用し、変化する産業構造に適応しながら、さらに発展させ、社会の営みを持続させていく役割が期待されています。生成AIやICT機器の開発は、今後も さらに発展することでしょう。それらとともに社会や教育の在り方は、これまでの常識や経験をはるかに凌ぐものになっていくことは想像に難くありません。ICT機器を活用したオンラインによる会話や会議等が 私たちの暮らしの中に溶け込んでいったように、生成AIを利用した仕事や教育、人間が関与していた仕事のロボット化などは、これからの社会に自然に組み込まれていくことでしょう。

君たちには、次の時代を生きる、次の時代を創る、そして持続させることが求められていますし、それらを実現するためには、何より、自分の学びを止めない、このことが重要になっていきます。生まれた時からICT機器やSNS等の環境のあった君たちにとっては、教育や社会でのデジタルの活用は、比較的容易だったのではないでしょうか。進化するDX技術を自分の学びに生かすことは、これからも大切なスキルとなっていきます。

一方では、試行錯誤しながら粘り強く考える力、目標見据えて、たとえ失敗しても立ち上がり前進していく力、デジタル媒体ではなく紙媒体がもつ文字や文章の味わい、手書きのよさなど、感性の深まりや思いを巡らし想像する力などは、ICT機器等では醸成しにくい力とされています。

また、本校は、全生徒の学力の向上を目指していますが、現在、基礎学力と言われる中に、「共生力」という言葉が加わろうとしています。教科学習における基礎学力を有することは、皆が同じことを、同じように進めていく上では大きな役割を果たしています。それとともに、これからの学びで必要な基礎的な力として、多様な他者と向き合う力、このことを「共生力(ともに生きる力)」として表現しています。多様な人々と、対面でのコミュニケーションを図ることや、様々な価値観を持つ人々と協議したり、協働したりすることで新しい価値を創り出していく力などは、DX技術が加速する社会であるからこそ、必要な能力とされています。その基礎となる力が「共生力」であり、多様な他者と向き合う力なのです。デジタルを活用する学び、心を育む学び、他者と向き合う学びをバランスよく取り入れながら、生涯にわたり学び続けて欲しいと思っています。

さて、ユネスコスクールとして認定されている本校は、日本のみならず 世界の課題を自分事として捉え、自分の将来に生かす取り組みを進めています。持続可能な社会づくりの達成目標である「SDGs」は、世界が抱える様々な課題を乗り越え、多様な分野で、ひとり一人が 自分の可能性を最大限に生かしながら、また 幸せを感じながら、心豊かに暮らしていくことのできる 社会づくりを目指しています。 

近年、民族や宗教等の違いや 歴史的背景からの国家間の紛争、覇権主義的な戦争の勃発など、全世界を見渡すと、武力行使の有る無しにかかわらず、多様な価値観を排除したり、弱者への理解が進まなかったりする事象が見受けられています。主権者となる卒業生の皆さんには、日本のみに留まることなく、世界にも関心を寄せて自分の考えを積み上げて欲しいと思います。

卒業生の皆さん。繰り返しになりますが、日本も含め国際社会は、次の時代を創っていく人材を強く求めています。生成AIを含むDX技術の発展は、今後も予測できないスピードで進んでいくことでしょう。しかし、それらを生み出し、活用するのは人間そのものであることには間違いありません。そこでは、人としての倫理観や価値観が重要な意味をもつことになるでしょう。

また、これからの生活や学業、仕事の中では、楽しいこともあるでしょう。苦しいこともあるでしょう。困難にぶつかることもあるでしょう。このような時、宮崎学園の建学の精神である「礼節・勤労」の意味するところが、必ずや原点となり、君たちを正しい方向へ導いてくれることでしょう。

卒業生の皆さん。自分の夢の実現に向けて、勇気をもって進んでください。挑戦し続けることを忘れないでください。君たちひとり一人が心豊かな人生を創り上げていくことを心から願っています。

結びに、本日、ご臨席いただきました、ご来賓の皆様、並びに、保護者の皆様方に、改めまして感謝申し上げ、式辞といたします。

   令和八年二月二十八日

    学校法人 宮崎学園   宮崎学園中学校・高等学校  校長 押 方  修