校長室便り_archive

校長室便り⑬

  • 2024年03月14日
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令和5年度 宮崎学園中学校・高等学校第13回中学課程修了式 式辞

校庭の木々の芽吹きとともに、昨夜からの清らかな雨のしずくが、木々の葉のみどりに輝きを増しています。この良き日に、宮崎学園中学校・高等学校第13回中学課程修了式を、PTA副会長木脇様をはじめ、多くの保護者、関係者のご出席を賜り、挙行できますことに心から感謝申し上げます。

まずは、中学生の皆さん、ご卒業おめでとう。

皆さんは、3年前、小学校6年時に、ここ宮崎学園中学校での学びを決意し、入学してきました。社会情勢は、新型ナウイルス感染症拡大の真っただ中であり、本校での教育活動も制限せざるを得ない日々もありました。しかしながら、今年度からは、ようやく従来の教育活動を進めていくことができたのではないかと思っています。

卒業生の皆さん。

皆さんの体育大会での躍動と感動、そして先日開催された萌黄祭の活躍の姿は、私たち教職員ならず、観覧された保護者の方々に、皆さんが、この3年間で立派な成長した結果を焼き付けたのではないでしょうか。

保護者の皆様。お子様の中学校のご卒業をお慶び申し上げます。3前のお子様のご入学からこれまで、不安や期待が交錯しながら、お子様の中学校生活を見守ってこられたのではないでしょうか。中学校3年間は、人生の中でも心身が最も大きく変化し、また成長する時期でもあります。本日は、年時、小さく幼かったお子様が、今日が凛々しく大人へと変化している姿をぜひご覧いただきたく存じます。

卒業生の皆さん。

新型コロナウイルス感染症が拡大していく以前から、皆さんの学校教育の在り方は大きな転換期を迎えていました。それは、ソサイエティ5.0といわれる社会課題と経済の発展を同時に進めていく考え方、SDG“Sといわれる持続可能な社会の発展の目標などを背景に、日本のみならず世界基準で教育の在り方を変えていくというものです。これまでも日本では、昭和、平成と教育改革が行われてきましたが、日本社会の発展が停滞やグローバル化する世界など、今後の社会情勢が予測不可能になる中、これからの時代を生き抜き、切り拓いていく人材を育成するためには、これまでの教育の実績や経験の延長線上にない、教育の在り方が進められています。そして、新型コロナウイルス感染症の拡大は、この教育の在り方に拍車をかけたものあれば、これまでの日本の教育が持つ良さを見直すきっかけにもなっています。

例えば、タブレット端末を鉛筆や定規といった文具として位置づけ、その機能を最大限に生かしながら、生徒が個別に深く広く、そして時間や場所を選ぶことなく学ぶことができるようになったことは、生徒個々が持つ資質や能力を最大限に伸ばすため、個々の状況に応じて最適に学ぶことができる環境となりました。一方では、生徒のコミュニケーション力やリーダ性を育むためには、生徒同士が対面で協働して、多様な考え方や学び深めていく教育活動も重視されているところです。それぞれの学びを適切に組み合わせながら、教育活動を進めていくことで、これからの時代を創り上げていく人材としての資質や能力を伸ばそうとしています。

宮崎学園中学校では、この教育活動にいち早く取り組み、皆さんは、この中学校3年間で、中学生に期待される力を身に付けてきています。自信をもって高校への学びへつなげてほしいと思います。

高校では、一人一人の学びが深まるともに、個別に学ぶ内容を判断し、その学びを実践することが求められます。また、高校が持つ様々な学科の特徴を知り、多様な価値観を持つ生徒との交流を通して、新たな自分を創り上げてほしいと思います。

3年後の進路実現へ向けて、校訓である「強く、明るく、優しく」を日々体現しながら、これからの高校生活が充実したものとなることを期待して、式辞とします。

                令和6年3月12日  宮崎学園中学校・高等学校 校長 押方修